「お前なんかいつでも」浮かび上がる元助役と関電の関係

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 関西電力の役員らの金品受領問題で2日、同社が公表した社内調査報告書は、同社と原発がある福井県高浜町の元助役との異常な関係を浮き彫りにした。原発関連の仕事を調整する「仕切り役」とされる元助役から幹部が多額の金品を受け取り、工事の概算額を説明するなど特別扱いしていた。疑惑は深まるばかりだ。

 「過去から続く森山氏の影におびえてきた」。関電幹部らが福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)から常識はずれの金品を受け取ってきた背景について、関電の岩根茂樹社長は記者会見でこう述べた。

 報告書によると、関電幹部ら20人が、森山氏らから現金、商品券、米ドル、金貨などの金品を渡されていた。面談や自宅訪問を受けた際、手土産や昇進祝いなどの趣旨で「菓子などの袋の底に見えないように入れられているケースが多かった」という。関電側が受領した約3億2千万円相当のうち、スーツが75着(3750万円相当)あり、返却したのはわずか14着分。自らも2着分の仕立券付き生地を贈られた八木誠会長は「儀礼の範囲内として使用した」と述べた。

 「お前なんかいつでも飛ばせる」「家にダンプを突っ込ませる」。報告書では森山氏が関電側にこうした暴言をぶつけていたことを記した。森山氏を恐れ、金品を返すに返せない構図も強調した。記者から「森山氏の特異性に関電が被害を被った印象を受けるが、自浄能力を欠いていたのでは」という指摘も出た。

 今回浮き彫りになったのは、関電発注の原発関連工事で森山氏が「特別扱い」されてきた実態だ。

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 関電の工事が発注される前に…

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