元助役から原子力部門中心に金品 関電、情報提供で便宜

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 関西電力は2日、役員ら20人が高浜原発のある福井県高浜町の元助役の森山栄治氏(故人)から計約3億2千万円分の金品を受け取った問題で、昨秋まとめた社内調査報告書を公表した。原子力部門を中心に2006~17年に現金や金貨がばらまかれ、うち2人には1億円超が渡っていた。八木誠会長と岩根茂樹社長は会見で謝罪したが、辞任は否定した。

 報告書によると、鈴木聡常務執行役員が約1億2千万円、豊松秀己元副社長が約1億1千万円を受け取っていた。共に福井県にある原子力事業本部で要職を務め、高浜・大飯両原発の再稼働にも力を注いできた。本部長の経験がある八木会長にも金貨や金杯など800万円を超す金品が渡り、岩根社長も150万円分の金貨を受け取っていた。約3億2千万円の大半は返還したが、仕立ててしまったスーツや、返還の機会を逃した現金など計約3500万円分は返せていないという。その後の調査で、20人以外にも送配電部門の3人が計250万円分の商品券やスーツの仕立券を受け取っていたことが分かった。

 役員らは森山氏から頻繁に面会を求められ、手土産や昇進祝いなどの形で金品を渡されていた。関電側も面会の際に、発注予定の原発関連工事の概算額が書かれた資料を手渡すなど、情報提供で便宜を図っていた。

 森山氏は原発工事を請け負う…

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