患者を生きる・眠る「不安とうつ」(3)
東京都の看護師の女性(47)は2016年初夏、行政の担当者から電話で厳しく問い詰められたのをきっかけに不眠が悪化した。ほとんど必要としなくなっていた睡眠薬や抗不安薬を再開した。
なかなか寝付けず、夜中に頻繁に目が覚めた。朝は起きるのがつらく、仕事に遅れがちになった。それを上司に責められ、さらにつらくなって結局、退職した。
電車に乗ると、居合わせた人から「何か悪いことをしているんじゃないか」と見張られているような気がした。視線が怖くて、車内ではドア脇に立って窓の外に顔を向けた。知らない人にいきなり首を絞められる夢を何度も見た。「私はだめな人間だ」。そんな思いに取りつかれていた。
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当時通っていた精神科診療所…
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