「もちつき」発表すら直前に 公認キャンプ地、交流に壁

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 熱戦が続くラグビー・ワールドカップ(W杯)。間もなく大会の折り返し地点を迎えるなか、参加チームを受け入れるキャンプ地で明暗が分かれている。選手らと交流イベントを重ねた市もあれば、十分な機会が得られなかった市も。両者を分けたものとは。

「ファンに練習見てもらえない……」

 イタリア、ジョージア、トンガ、米国の4代表を受け入れた堺市。市民と選手らとの交流を深めたいと行事を打診したところ、決まったのはイタリアとジョージアだけだった。

 キャンプ地が大会組織委員会の「公認」になったことが障壁になった。チームが試合に集中できる環境を求める組織委の取り決めを守り、各代表が滞在する期間や場所は非公表だ。市担当者は「せっかくのキャンプ地なのにファンに練習を見てもらえないのが残念」と肩を落とした。

 交流行事の打診も組織委を通じてしなければならず、決定までに時間を要した。9月17日のイタリア代表の「もちつき」が、市民が自由に参加できる唯一の行事だったが、発表できたのは6日前だった。

 ジョージアとサモアの公認キャンプ地・名古屋市でも、イベントは組織委が許可した最低限のものにとどまった。選手と中学生との交流イベントは市が組織委に要請して実現が決まった。9月20日に市立中学校2校のラグビー部員約100人が市内の瑞穂公園ラグビー場で、ジョージア代表選手による「ラグビー教室」に参加した。ジョージアからの申し出で急きょ19日と25日に同ラグビー場で公開練習があったが、市幹部は「もっと多くのイベントで盛り上げたかったが、主催者側からの制約が多い印象だ。限られた範囲で精いっぱいやりたい」と話す。

 今大会は出場20チームに対し、全国の61自治体が公認キャンプ地になった。公認キャンプ地は大会期間中の拠点となり、宿泊施設のほか、グラウンドやトレーニングジムなどが整備されている。自治体の立候補を受け、組織委が調査し、チームの視察も経て決定した。

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 組織委によると、警備上の理…

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