「神は責任を感じています」異例の言葉発する教皇の思想

有料記事ローマ教皇

磯村健太郎
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 ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が23日、日本にやって来る。世界13億人の信者にとっての精神的指導者というだけではない。米国とキューバの国交回復を仲介するなど、平和外交でも存在感を示す人物だ。とはいえ、飾り気のない人柄の教皇。その言動の背景にある思想はどのようなものか。

 フランシスコはアルゼンチン出身。歴代教皇のほとんどが欧州出身であるなか、初の南米出身だ。2013年に法王に選ばれるまで、首都ブエノスアイレスの小さなアパートに住み、自炊していた。清貧な生き方の実践者だ。バスでスラム街を訪ねては、貧しい人々の相談を受けるなどしていた。

 著書『教皇フランシスコ』がある森一弘名誉司教は「彼がアルゼンチン時代に培ったのは『あわれみの神』という、神の捉え方です」と語る。いのちを与えた人間が痛ましい状態になっていることに、神自身が痛みを感じている――。それが彼の行動を支える根拠という。聖書で「あわれみ」と訳される言葉のもとはギリシャ語の「スプランクニゾマイ」で、はらわたが打ち震えるといった意味。神はいわば断腸の思いでいるというのだ。

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 フランシスコは15年に発表…

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