宍道湖のウナギ激減、ネオニコ系農薬が原因か 米科学誌

有料記事

石井徹
[PR]

 島根県宍道湖(しんじこ)でウナギやワカサギが1990年代に激減したのは、周辺の水田などでネオニコチノイド系の農薬を使ったことが原因の可能性が高いとする論文を、産業技術総合研究所などの研究チームが10月31日付の米科学誌サイエンスに発表した。この農薬はミツバチを大量死させることなどが知られていたが、川や湖の生態系にも影響を与えている可能性を示したのは初めてという。

 産総研特定フェローの山室真澄・東京大学教授らの調査では、92年にネオニコ系農薬が国内で初めて登録され、実際に使われるようになった93年5月の田植えの時期を境に、宍道湖の動物プランクトンの量が激減。81~92年と比べ、93~2004年は平均で83%減になったという。

 この結果、動物プランクトンをえさにするワカサギは平均年240トンほど漁獲量があったのが94年以降、ほとんどとれなくなった。ウナギの漁獲量も平均年42トンから10・8トンに減った。

 国内の湖沼での漁獲量は減少…

この記事は有料記事です。残り342文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら