かんぽ不正調査かすむ顧客本位 現場から「ずさん」の声

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長崎潤一郎 鈴木友里子 柴田秀並 藤田知也
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 かんぽ生命の不正な保険販売の件数が大きく膨らむ。不正の背景には組織体制や組織風土の問題があることを、弁護士による第三者調査委員会の報告書は指摘する。経営陣は販売再開などを巡って迷走し、顧客本位の調査が進んでいるか疑わしいとの声も現場からあがる。

 同社の委託先のコールセンターで9月中旬まで働いた札幌市の30代男性は「ずさんな方法で、顧客の利益にならない対応もあった。『調査した』という証拠づくりに協力しているようだった」と打ち明ける。

 電話するのは相手が出ても出なくても3回まで。3度目にやっとつながった四国地方の女性の場合、本人が不在で、再度電話すると夫に伝えた。ただ、コールセンターの上司が4度目の電話を許さず、「最大架電回数」として処理されたという。

 1日約100人に電話するが、大半が地方のお年寄り。東北の女性は「耳が聞こえないから」と電話を息子に代わった。しかし、契約内容を話すには本人の了承が必要。再び女性に代わってもらったが「聞こえない」と電話を切られた。10万円近い返金を受けられたはずだが、「対話拒否」で処理されたという。「何のための調査か、腹立たしかった」と男性は憤る。

 かんぽ生命は、電話3回までの制限について「書面でもご連絡をとる努力を継続していく」と説明する。

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 この男性によると、電話対応…

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