松岡茉優、カンヌの歓喜「本当は、もっとあれを全身で」

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神宮桃子
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映画「蜜蜂と遠雷」に主演 松岡茉優

 ヒマワリのような笑顔。とはよく言うが、テレビなどで松岡茉優を見るにつけ、ぴったりの言葉だと思っていた。周りをぱっと明るくする、屈託のなさ。そう単純ではない役どころも巧みにこなす表現者だと知っていても、笑顔のイメージは鮮烈だ。

 映画「蜜蜂と遠雷」で演じる、再起をかける元天才少女のピアニスト亜夜という役は、その満開の笑顔をほとんど封印している。原作は、直木賞と本屋大賞をダブル受賞した恩田陸の小説。若手の登竜門とされる国際ピアノコンクールを舞台に、4人のピアニストの挑戦を描く。

 取材で目の前に現れた彼女は、撮影の指示にすっと対応し、質問には「わたくしは」「皆さまが」と折り目正しい言葉づかいで答えた。ヒマワリとは全く違う印象の、ある種の静謐(せいひつ)さと気高さをたたえていた。

 元天才少女という役について「他者を分厚いガラスの外に置く感じは、よくわかる」と明かす。芝居で集中したい時に、分厚いガラスを隔てて皆がいるように想像することがよくあるという。「私は時たまだけど、亜夜は常に。孤独でエゴもあるようなピアノが、クライマックスでようやく人に聴かせるものになる。彼女がエンターテイナーになる瞬間を描きたかった」

 本人は気づかなかったと言う…

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