核実験450回、被爆が日常の村 筆くわえ描くキノコ雲

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文・佐藤達弥 写真・竹花徹朗
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核実験の実態を描くカザフスタン人画家 カリプベク・クユコフさん

 大きなキノコ雲、倒れ込む人々。キャンバスに描かれた光景は一瞬、広島・長崎の原爆投下を思わせる。だが、背景に広がるのは市街地ではなく大草原だ。舞台は旧ソ連が核実験を繰り返したカザフスタン。生まれつき両腕のない画家、カリプベク・クユコフさん(51)が描いた。何が彼を創作に駆り立てるのか。

 食器棚が突然ガチャガチャ震えだす。ラジオが「平和目的で定例の核実験をした」と伝える。そんなことが毎月繰り返された。

 冷戦下、ソ連が450回以上の核実験をしたカザフスタンのセミパラチンスク実験場。そこから西90キロの村で、両腕のない状態で生まれた。被曝(ひばく)の影響だった。絵筆を口にくわえ、爆風を受けて倒れ込む人々やキノコ雲、顔中にこぶができた友人などを描いてきた。

クユコフさんの作品を後半で多数紹介します。

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