文化守るべき国が乱暴な補助金カット 現場に萎縮の懸念

有料記事トリエンナーレを考える

編集委員・大西若人
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 愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の展示の一部「表現の不自由展・その後」が中止となった問題で、文化庁は26日、採択を決めていた補助金約7800万円の全額を交付しないと発表した。

関係者のショック大きい

 文化庁が「あいちトリエンナーレ」に対し、採択していた補助金を全額交付しないことを決めた。同庁も認めた通り、異例の対応といえる。説明が十分とはいえない点でも、会期中の決定という点でも、いきなり全額カットという点でも、乱暴の感は否めない。

 文化的な表現は、楽しさや感動といった魅力と同時に、社会的少数者や、異なる地域に暮らす人々、民族を知る窓口になる。「あいち」などの国際芸術祭もその一つだ。多様性のある社会の構築が目指されている今、文化を支援することは行政の目的にも合致するはずだ。

 それなのに、文化を守り育てる存在の同庁が今回の判断を下したことに、関係者のショックは大きい。

 不交付の理由として同庁は…

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