PTAには、異論を言いだしにくい雰囲気がある。「子どものため」を掲げた活動に、文句をつけにくい。「負担を平等に」という同調圧力と、楽をしている人がいないかという相互監視が強く働く環境で、「我慢してやり過ごす」人が大半だ。異を唱えればたちまち、「和を乱した」と見られることになりかねない。
兵庫県伊丹市の前田裕子さん(42)は「和を乱した人」だった。3年前、立候補して小学校PTAの広報部長になったが、すぐに「おかしいぞ」と思い始めた。負担の大きい担当を決める時に、3時間静まりかえった会議室。市から送られてくる講演会への参加動員……。PTAについて調べていくうちに、本来は任意加入であることや、上部団体が存在すること、非会員の子どもへの差別など、さまざまなことを知った。
「PTAが社会問題だと知って欲しい」と始めたのが、マンガを使った問題提起だ。「2コマでPTAを叫ぶ母」というツイッターの匿名アカウントで、PTAのおかしさや問題点を提示してきた。
今年1月、「PTAを変えたい」と副会長に立候補したところ、「ああいうマンガを描くような人には――」と立候補を辞退するよう促された。「作者」だとばれていた。「辞退するくらいなら」とPTAを退会した。
ところがこの夏、前田さんか…
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