「2階に濁流」「背負った子が…」語り継ぐ伊勢湾台風

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高原敦 古庄暢
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 伊勢湾台風から丸60年を迎えた26日、死者・行方不明者が1851人に上った名古屋市では、朝から被災の記憶を後世に伝える催しなどが開かれ、多くの人たちが60年前の災害に思いをはせた。

 伊勢湾台風で当時、児童142人が犠牲になった南区の市立白水小学校では26日午前、被災を経験した地元の住民9人が児童に当時の様子を語った。

 「外は2階の床に届くほどの高さの濁流が流れていた。おんぶひもをした女性を助けたけど、背中の子は流されていた」

 語り部として参加した、当時、大同製鋼(現・大同特殊鋼)=同市南区=の社員だった田口正二さん(85)は1959年9月26日夜、白水小から600メートルほど離れた社員寮2階の自室にいて、窓の外に流れ着いた女性を助けた際の話をした。

 「早く安全な所に逃げることを忘れないで」。田口さんの言葉に、児童らは真剣な表情で聞いていた。

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 白水小の卒業生で、当時高校…

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