「むちゃ」に振り回された日本 日米貿易交渉、署名の裏

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ニューヨーク=北見英城 青山直篤 楢崎貴司
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 「幸せだろう? (日本の輸入で)すごいカネが入ってくるんだから」。トランプ米大統領は日米首脳会談後、会場に招いた米牛肉団体幹部らにそうアピールした。カウボーイハットをかぶった団体幹部は「ハンディをなくしてもらうよう求めていた。実現してくれてありがたい」と応じた。

 米農家らを会場に招いたのは米側の演出だ。そもそもTPP離脱によって米農家らを輸出面で不利な状況においたのは、まぎれもないトランプ氏。当の本人の「むちゃ」に、日本は交渉で振り回され続けた。

 4月15日、ワシントン。実質的な交渉のスタートとなる初めての閣僚級協議の席で、ライトハイザー通商代表は「来週の日米首脳会談で署名できないかと、ボスが話している」と、茂木敏充経済再生相(当時)にいきなり持ちかけた。「ボス」とはトランプ氏のこと。わずか1週間の交渉で署名を求めたことになる。

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 支持基盤の農家へアピールす…

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