(特派員メモ)惨事の爪痕 記憶継ぐ @チュニス
北川学
階段の踊り場で顔を上に向けると、ギリシャ神話に出てくるアポロンの像が目に飛び込んできた。像の背後の白い壁は、長さ10センチ、深さ3センチほどえぐれている。銃弾が当たった跡だ。
チュニジアの首都チュニスにある国立バルドー博物館。2015年3月、武装グループが襲撃し、日本人を含む外国人観光客ら22人が亡くなった現場だ。
事件の爪痕は、ほかにもあった。2階の奥の壁に貼られたタイルが、何カ所も欠け落ちている。「館内の修理は最低限にとどめている」と職員は言った。所蔵品は被害を受けなかったという。
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博物館では、ローマ時代など…
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