男性の牙城に「異変」独裁者消え、女性指揮者たちが躍進

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編集委員・吉田純子
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 かつては男性の牙城(がじょう)だった指揮の世界に、本格的に女性の参入が進んでいる。9月には若手指揮者の登竜門として知られる仏ブザンソン国際指揮者コンクールで、青森出身の沖澤のどかさん(32)が優勝した。強烈な個性で大勢を牽引(けんいん)する「独裁型」から、多様な個性を柔らかく束ねる「協調型」へ。時代の変化が躍進の背景にありそうだ。

 現在、「女性指揮者のパイオニア」とされるアントニア・ブリコの半生を描く映画「レディ・マエストロ」が公開中だ。2021年の独バイロイト音楽祭で、新演出作品を女性指揮者が率いることも発表された。指揮者を志す女性は、今や少数派ではない。

 とはいえ、指揮者といえば、いまだに長大な交響曲を振り抜くマッチョなイメージで見られがち。女性が指揮台に立つだけで「特別」と見られる風潮が残っているのは否めない。

 「女性指揮者」という肩書をはねのけた実力者の1人に、シドニー出身のシモーネ・ヤングさん(58)がいる。歌劇場の下積み経験を十分に積み、欧米各地の歌劇場を席巻。二期会公演などへの客演で日本にもファンが多く、今年の年末のNHK交響楽団「第九」を振ることも発表された。

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 3年前にインタビューをした…

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