暴力団と闘い続けた弁護士、心配する一人娘に答えた信念

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緒方健二

惜別 弁護士の三井義広さん 67歳

 組員に刺されてもひるまず、住民を支えて暴力団と闘った。警察当局に再三働きかけ、1992年施行の暴力団対策法をはじめ対策の整備に努めた。

 87年6月20日、生まれ育った浜松市で、山口組系暴力団の追放に取り組んでいたさなか、反発する組員に喫茶店で襲われた。同じ日、住民側リーダーだった水野栄市郎さん(77)も自宅を組員に壊された。「心労で血尿が出た。住民だけではどうしようもなく三井さんたちにすがり、追い出せた」

 当時は暴対法もなく、市民を守る保護対策も不十分だった。「そんななかで三井さんらは命を賭して闘い、各地の追放運動を大いに勇気づけた」。五つの指定暴力団がひしめく福岡県で長く暴力団捜査を担った藪正孝さん(63)は高く評価する。

 ひとり娘の三井飛鳥(あすか)さん(32)は弁護士だ。高校生の時、父に詰め寄った。「生まれたばかりの私やお母さんがいたのに、なぜそんな危ないことを」。

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 家で仕事の話をいっさいしな…

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