インドネシアで煙害深刻、乳児ら死亡 周辺国も巻き添え

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ジャカルタ=野上英文 シンガポール=守真弓
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 インドネシアで、大規模な野焼きや森林火災によって有毒な煙が発生する「煙害」(ヘイズ)が深刻となっている。近隣のマレーシアシンガポールにも大気汚染は広がって生活に深刻な影響を及ぼし、互いに責任をなすりつけ合う外交問題に発展している。(ジャカルタ=野上英文、シンガポール=守真弓)

数十万人が受診

 インドネシア国家防災庁の20日の調査では、火災はスマトラ島とボルネオ島を中心に計3443カ所で発生し、焼失面積は東京都の面積の1・5倍にあたる約32万8千ヘクタールに及んだ。現場には炭素を多く含む泥炭地が広がり、火が付くと地中も燃えて消火が難しく、煙にはPM2・5(微小粒子状物質)が含まれる。

 同庁の大気汚染の基準で最悪の「危険」に達する地域もあり、4カ月の乳児や9歳の少年が煙を吸い込んだことが原因で死亡したほか、住民ら数十万人が病院で診察を受けた。約2万6千の学校が休校などの影響を受け、航空便の欠航も相次いでいる。

 中部カリマンタン州サンピットで撮られてSNSに投稿された動画では、煙で数メートル先までしか見えず、車が日中も照明をつけて低速で走る様子が映っていた。住民のジェパーソン・パルデデさん(29)は電話取材に「頭痛と熱で病院に行った。屋内でもマスクをつけている」と話した。

シンガポールでも「最悪レベル」

 煙害は、マラッカ海峡を越え…

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