保険販売を9月末まで自粛中の日本郵便が、営業手当ほしさに「自粛破り」をしている郵便局員がいるとみて、実態調査を始めた。無理な営業に走る局員の意識が変わらなければ、顧客の信頼を取り戻せない。調査の結果、ルール破りが横行する組織風土とわかれば、10月からの販売再開にも疑問符がつきそうだ。

 関係者によると、調査の目的は「乗り換えや積極的な勧奨を行う社員の把握および是正指導」。今月中旬から始めた。自粛を始めた7月中旬以降のかんぽ生命の新規契約について、積極的な営業ではなかったか、不適切な販売が問題となった乗り換え契約ではなかったのか、などを確認する。郵便局の管理者らが担当局員の情報などを報告する。

 自粛期間中に販売を例外なく控える局がある一方、積極的に売り続ける局も一部に存在する。東京都内のある会社員男性は郵便局で保険のパンフレットを手にしただけで、「ご興味あるのですか」と窓口局員に勧誘されたという。社内資料によると、自粛中の今も全国の郵便局で1日200~300件が売られている。

 日本郵便は現在、不適切販売の顧客対応を最優先にしている。かんぽ商品の積極的な営業を控えるよう郵便局に7月中旬に指示。保険契約の乗り換えも顧客へ勧めないことにしている。

 ルール破りが現れるのは、自粛…

この記事は有料記事です。残り751文字
ベーシックコース会員は会員記事が月50本まで読めます
続きを読む
現在までの記事閲覧数はお客様サポートで確認できます
この記事は有料記事です。残り751文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
この記事は有料記事です。残り751文字有料会員になると続きをお読みいただけます。