認知症は神の恩寵か 専門医が当事者として過ごした2年

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編集委員・清川卓史
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 認知症診療の第一人者である精神科医の長谷川和夫さん(90)が、自分が認知症だと公表して間もなく2年。認知症とともに生きる現在の暮らし、気持ちを尋ねた。「認知症になったらそれっきり、ではなかった」。語ってくれたのは、認知症についての新たな気づきだった。

 普通に暮らす分にはなんとか支障はないけれど、物忘れがひどくなってね。自分のなかの「確かさ」があやふやになってきました。朝起きて少し時間がたつと、今が昼か、間もなく夕ご飯なのか、はっきりしなくなる。外にでかければ、ふと「あれ、自分はいまどのへんにいるのかな」と思ったり。そんな感じです。

 ――認知症になって新たな気づきがあったと語る。

 昔はね、認知症というガチッとした状態があって、なったらなったでそれっきりと思っていた。とんでもない間違いでした。認知症というのは決して固定した状態ではなくて、認知症とそうでない状態は連続している。つまり行ったり来たり、なんだね。

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 私の場合で言うと、朝一番か…

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