信号機も隠す危ない「ご神木」 撤去しない神社の言い分
東京都八王子市にある「天満社」。学問の神様・菅原道真をまつり、北野天満社とも呼ばれ、地名の北野町の由来ともされる。その歴史ある神社が、樹木の枝葉を境内からはみ出させており、車や歩行者に接触する危険があるなどとして、国土交通省相武国道事務所と市から2017年以降計11回、文書で行政指導されていることがわかった。
神社側は根本的に改善する気配がなく、地元の町会などは「越境樹木を放置すれば、重大な交通事故につながりかねない」と困惑している。
天満社は京王線北野駅から徒歩3分の場所にある。現場を訪れると、北西角にある大木の枝葉が国道の上におおいかぶさるように伸び、大型トラックの荷台の上部に接触しそうになっている。信号機も枝葉に覆われて見にくい。枝葉が市道をまたいで児童館に達している場所もある。
相武国道事務所によると、2017年に通報をきっかけに越境を確認し、18年5月に宮司に口頭で改善を求めた。今年2月、住民の訴えで再び越境を確認し、道路の構造や交通に支障を及ぼすおそれのある行為を禁じた道路法43条に抵触しているとして、2、5月に計3回、「道路占用指導書」を宮司の家族とみられる人に渡したり、宮司の自宅に投函(とうかん)したりしたが、反応はないという。
市も17年以降、今年7月までに6回、神社側に文書でせんていを要請した。だが、市によると、宮司は3月に「樹木医に管理させているから大丈夫。境内の樹木はご神木だ」と主張し、すぐにせんていするとは明言しなかった。市側がせんていするという申し出も受け入れなかった。
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