「私だけゴリゴリ」 野中生萌はスキップしながら登る

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吉永岳央
【動画】月刊TOKYO2020「技」 スポーツクライミングの野中生萌選手=遠藤啓生、樫山晃生撮影
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技―WAZA―

 「日本は細身の選手が多い。私だけですかね、なんかゴリゴリなのは」

 そう自嘲気味に笑うのは、スポーツクライミングの野中生萌(みほう)(XFLAG)だ。隆々とした筋肉が生み出すパワーと瞬発力こそが、この22歳が東京五輪のメダル候補に推される最大の理由でもある。

 女子屈指の筋力が端的に表れるのが、登る速さを競う「スピード」だ。7月、スイスであったワールドカップ(W杯)で8秒432の日本記録をたたき出し、この種目で男女通じて日本勢初の決勝進出を果たした。

 スポーツクライミングはボルダリング、スピード、リードの3種目の総合で順位を争う。スピードの壁の高さは15メートル。覆いかぶさるように手前に5度、傾いている。この壁の序盤で見せる「トモア・スキップ」と呼ばれる登り方が、野中の持ち味。ポイントは、壁の左側に設置された二つのホールドを飛ばして登っていくことだ。

 まずはスタート直後、左の小…

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