「これから勉強」「担当外」 人形劇と重なる大臣の言葉
編集委員・大野博人
日曜に想う
30年ほど前のパリでのことだったと思う。たまたま目にしたテレビ番組が忘れられない。どんな状況で見たか、記憶はぼんやりしている。なのに映し出されたマリオネットの衝撃は今もよみがえる。
最初、人形は軽快な曲に乗って踊っていた。そのうち曲想がゆっくりと悲しげに変わっていくと、うなだれへたり込んでいった。
嘆きの身ぶりが真に迫り、ほんとうに心があるかのようだ。つけっぱなしのテレビから流れてきただけの画面にどんどん引き込まれた。
彼は何を悲しんでいるのだろう?
やがて人形は、自分の体につながっている何本もの糸を見つめだした。自分は操られ、踊らされている。それを知ってさめざめと泣き始める。思い通りにならないわが身への深い絶望のしぐさ。
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しかし、その切なさに共感し…
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