不妊治療中に凍結胚紛失 京都の夫婦、病院を提訴へ

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向井光真
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 不妊治療中に受精卵を育てた凍結胚(はい)を紛失され、精神的苦痛を受けたとして、京都市の夫婦が18日、同市西京区の産婦人科病院「身原(みはら)病院」を運営する医療法人「倖生会」に慰謝料など2358万円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こす。夫婦は「わが子の源を紛失されたショックは大きい」と訴えている。

 凍結胚は受精卵が細胞分裂し、着床する直前の状態で凍結したもの。妊娠しやすい時期に解凍し、子宮に戻す。訴状などによると、原告の30代女性と40代男性の夫婦は2017年9月、保存していた凍結胚の一つを紛失したと病院から連絡を受けた。紛失したのは質が高く着床しやすい凍結胚で、残った凍結胚を子宮内に移植したが着床しなかった。女性はこの病院で凍結胚を移植して妊娠し、第1子を出産。第2子出産に向けて治療中だった。

 病院側は発覚直後に謝罪したものの、紛失原因は不明のままで、昨年1月には紛失を口外せず、訴訟を起こさないことを盛り込んだ覚書に押印するよう夫婦に求めてきた。賠償金の支払いについても交渉がまとまらなかった、としている。

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 女性は「紛失の原因を説明し…

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