表現の自由守るには 「芸術作品は観客がいてこそ」

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 世界の先鋭的な舞台芸術を紹介してきた「京都国際舞台芸術祭」が10月5日、開幕します。第10回となる今回は、演劇作家・岡田利規主宰の演劇カンパニー「チェルフィッチュ」など、国内外11組のアーティストが参加予定です。プログラムディレクターの橋本裕介が、表現の自由を守るために必要と考えることを語ります。

 今年のテーマは「世界の響き―エコロジカルな時代へ」。橋本は「誰を中心に置くかで、捉え方が変わるのが『環境』。自然対人工といった二項対立ではない考え方は……と、浮かんだ言葉です」と話す。アートの世界で長く「中心」だったヨーロッパの尺度とは、異なる表現のみで構成しようと、アジアや中東、アフリカをルーツや拠点とするアーティストをそろえた。

 いま、表現を取り巻く空気に危機感を抱く。「自分が安心できる部分だけを見ていたい、『内向き』の人が力を持っているのでは。新しい、面白いことが起きているかもしれないと、外に出る意思のない社会は、衰退していく気がする」。各地で開かれる、芸術や文化をうたうイベントも「資金を提供する側は、プレゼンス(存在感)を高めるとか、インバウンドを増やすとか、芸術を市場経済原理と同じように考えているのではないか」とみる。

 愛知県で開催中の「あいちトリエンナーレ」では、脅迫を含む抗議を受け一部展示が中止に、「表現の自由」を巡る議論も起きた。

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 芸術作品とは「観客がいて…

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