(17日、大相撲秋場所10日目)

 ラーメンを食べるとき、レンゲを使わない。御嶽海は最近そう決めた。スープを飲むときには、どんぶりごと口につける。「調べたら、そっちの方が体に入る油が少ないんですよ。どんぶりを傾けたら、油は口と反対側に浮かぶでしょ」

 身長は180センチと、幕内では決して大きくない。馬力よりも、高い技術と動きの切れで勝負する。だからこそ、細かな体重管理にも気を配る。炭水化物は減らし、肉は赤身を好む。

 勝ち越しを決めたこの日も、土俵際で身軽な身のこなしを見せた。先場所まで18勝2敗と相性のいい玉鷲に押された。俵に足の指が触れても冷静だった。体重177キロとは思えぬ素早さで右に回りこみながら、突き落とした。「体が動いていますね。今まで勝っている相手だし、自信はありました」と余裕たっぷりだ。

 2敗で5人が並ぶ混戦で、首位に並んだ。昨年の名古屋場所では、13勝2敗で初優勝を飾っている。賜杯(しはい)争いについて聞かれると、フッフッと笑った。「あんまり興味ないです」

 今は優勝争いよりも大事にしていることがあるという。三役は16場所、関脇は2場所連続で務める。ただ、もう一つ殻を破りたい。役力士として2度目の2桁勝利、その先にある大関昇進を目標に掲げる。

 「みなさんの期待に早く応えたい。さらに強くなったので」。食では油控えめの26歳。力士として、脂が乗るにはちょうどいい。(吉田純哉)

■貴景勝、3場所ぶり勝…

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