「京」から「富岳」へ 速度重視から変わるスパコン開発
嘉幡久敬
「地球シミュレーター(ES)」から「京」を経て「富岳」へ。この十数年間にスパコン開発をめぐる環境は様変わりした。単純な計算速度を競った時代から、ビッグデータ解析や人工知能など個別の用途や、消費エネの性能が求められるようになってきた。(嘉幡久敬)
ESが世界のトップに立った後、2006年から、1100億円の予算で京の開発が始まった。開発主体は当初、理化学研究所と富士通、日立、NECの3社だった。NECの渡辺貞が理研に移籍し、プロジェクトリーダーに就任した。だが、リーマン・ショックの影響で、日立とNECが撤退した。
民主党政権による事業仕分けがあったのは09年11月だ。京は世界最速を目指したが、世界一を取ったとしても、中国や米国に抜かれるのは時間の問題とみられていた。
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