吃音の自分、受け入れて前向きに 大阪のグループ半世紀

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小若理恵
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 吃音(きつおん)の人が集う大阪の自助グループが半世紀以上、地元で活動を続けている。取り組みは先進的で、学校や地域での支援が乏しく、社会で孤立するのが不自然ではなかった時代から当事者同士が悩みを語り合ってきた。一人ひとりが自身の特性を受け入れ、前向きに生きる力を取り戻す場だ。

吃音 「わ、わ、わたし」と繰り返したり、「わーたし」と伸ばしたり、「……わたし」と言葉につまったりする症状。原因は遺伝的な要因や脳の機能障害ともいわれる。治療法は確立されていない。世界人口の1%前後にみられる。

悩むのは損、格好悪くない

 8月9日夜、吃音を抱える20~70代の約20人が大阪市天王寺区の寺院に集まった。

 「就職面接が怖い。あいさつの言葉がなかなか出てこず、失敗した体験を引きずってしまって」。NPO法人「大阪スタタリングプロジェクト」(東野晃之理事長)が毎週開く大阪吃音教室。初めて参加した広島市の20代男性が口ごもりながら話した。

 「面接で重要なのは、あいさつではなく自己アピール」

 「はじめからどもることを恐れてもしょうがない」

 「名前をうまく言えるか、あいさつできるか、そんなことで悩むのは損。言葉につまっても、格好悪くない」

 周囲から励ましの声が上がると、男性の表情が緩んだ。

 大阪吃音教室は1966年…

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