83人、いまだに忘れられない数字 伊勢湾台風の3日間
1959年9月27日。
陸上自衛官の塚本時義(88)は命令を受けて、愛知県東部の豊川市にある豊川駐屯地から、三河湾に面した愛知県蒲郡市へ給水活動に向かった。
川から水を吸い上げるポンプと浄水器を積み、トラックで約2時間。蒲郡駅には100人くらいがバケツを手にして並んでいた。翌28日には所属する中隊でトラックに分乗。名古屋へ向かった。
任務は、浸水がひどい南区や港区の遺体収容だったが、生存者がいたらすぐ運べと指示されていた。各班5~6人でボートに乗り込んだ。塚本の班は2人の生存者を見つけた。
60年前に日本列島を襲った「伊勢湾台風」。全国で死者・行方不明者は5千人超。そのうち、愛知、三重、岐阜の東海3県だけで約4700人を占めました。あのとき、何が起きたのか。被災者の証言を元に再現します。五回シリーズの最終回です。
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屋根の上で、高齢の女性が手…
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