諫早干拓、分断越えたい 住民「もっと話そう」

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中川壮
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 諫早湾干拓事業長崎県諫早市)をめぐる漁業者と営農者の対立を話し合いで解決できないかと、市民有志が署名活動などに取り組んでいる。堤防排水門の開門を命じられた国が確定判決の「無力化」を求めた訴訟の最高裁判決が13日に迫る中、司法や行政によって分断された住民の間で、対話と共通理解の糸口を見いだそうとしている。

 諫早市民らでつくる「諫早湾干拓問題の話し合いの場を求める会」は7月、長崎県に請願書を出した。営農者、漁業者、地域住民による協議を要請したものだ。「裁判だけでは住民の共通理解は得られないのではないか。一番大切なのは客観的事実を市民が共有し議論していくことだ」。会の事務局長、横林和徳さん(73)は述べた。

 横林さんは元教員で、12年前に開門に賛成する団体の活動に加わった。「賛成の立場では、開門に反対する住民に気軽に話しかけられる雰囲気ではなかった」と振り返る。

 2010年には国に開門を命じた福岡高裁判決が確定。その後は開門を差し止める判決が出るなど、漁業者と営農者の対立が続き、いたたまれない気持ちになった。「裁判で結論が出ても住民にはしこりが残る。裁判の当事者ではない立場の人を含めて論議する必要がある」と考えるようになり、会を立ち上げた。

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