牛乳を廃棄、豚は暑さで衰弱死…続く停電、畜産業を直撃

有料記事

熊井洋美 高木潔
【動画】台風15号による長引く停電で、畜産農家も悲鳴=熊井洋美撮影
[PR]

 台風15号の影響で長引く停電は、畜産県、千葉の家畜農家も直撃している。搾った牛乳を冷蔵できずに捨てたり、畜舎の換気が十分でなくて豚や鶏が死んだり……。「東日本大震災の時より痛手だ」との悲鳴も上がっている。

 「牛たちが心配だ」。千葉市若葉区で酪農を営む飯田光央さん(45)は厳しい表情で語る。

 乳牛約55頭を飼い、牛乳を出荷してきたが、9日早朝から12日夜まで電気が止まり、機械を使った搾乳作業などができなくなった。東日本大震災の時は半日ほどで終わった停電が、今回は丸3日以上続いた。

 地下水を電動ポンプでくみ上げて使っているため、停電中は断水した。近所の養鶏農家に水を分けてもらって軽トラックで牛舎へ運んだが、人力では運べる量にも限界がある。1頭に毎日60リットル与えていたのが、3分の1程度に減った。

 牛たちは一晩中、「メエー、メエー」と苦しそうに鳴いていた。「のどが渇いていたと思う」

ここから続き

 10日夕、知人から自家用発…

この記事は有料記事です。残り1583文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

こどもと被災地

こどもと被災地

東日本大震災が起きてからの13年という月日は、子どもが大人へと成長するほどの長さです。それぞれの土地で暮らす子どもたちの物語。[もっと見る]