アイルランド、肩を組み歌うのは 分断の歴史超えW杯へ

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遠田寛生 菅沼遼
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 20日開幕のラグビー・ワールドカップ日本大会で、日本と1次リーグ第2戦を戦うアイルランドは現在世界ランキング1位の強豪だ。分断の危機を乗り越えてきた、特別な歴史を持っている。

 ラグビーの「聖地」と呼ばれるロンドン郊外のトゥイッケナム競技場に8万人が駆けつけた。8月24日、イングランド―アイルランド戦。試合前、1列に並んだアイルランド代表の選手が肩を組み、歌った。「きょうだいのように寄り添い、1人はみんなのため一致団結して……」。アイルランド共和国の国歌ではない。代表チームの歌「アイルランズ・コール」だ。

 英領北アイルランドとアイルランド共和国の統一チーム。歌は争いを超えて守り続けた結束の象徴だ。

 アイルランドは1922年に自治領「アイルランド自由国」として独立し、49年に英連邦を離脱した。北部(現在の北アイルランド)は残った。背景に宗教が絡む。英国の統治継続を望む北部のプロテスタント系住民と、南部の多数派であるカトリック系住民が対立。爆弾テロなどで3千人以上が犠牲になった紛争は、98年の和平合意まで約30年に及んだ。

 サッカーが南北に分裂する一…

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