告げられた風疹感染、目の前真っ暗 おなかの赤ちゃんが

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土肥修一
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 流行が続いている風疹の感染を防ぐ手立てが思うように進んでいない。妊婦が感染すると赤ちゃんに目や耳の障害、心臓の病気が出るおそれがあることから、厚生労働省は患者の多い40~50代男性が無料で抗体検査とワクチン接種を受けられるようにした。だが、検査を受けたのは今年度の対象者の5%にとどまる。

 神戸市の西村麻依子さん(36)は2012年4月、長女(6)の妊娠7週に風疹の感染がわかった。通院していた産婦人科の医師に「おなかの赤ちゃんの目や耳、心臓に障害が出る可能性が高い」と告げられ、中絶を勧められた。ショックで目の前が真っ暗になった。

 夫(37)と話し合い、「たとえ障害があっても命をあきらめてしまう必要はない」と出産を決めた。10月、緊急の帝王切開で長女を出産した。

 出産後の検査で長女は脳の一部に異常がみられ、心臓の病気や角膜の濁りも見つかり、先天性風疹症候群(CRS)と診断された。「自分が風疹にかかってしまったから、この子につらい思いをさせてしまった」と自分を責めた。

 「自分と同じ思いをする人をこれ以上出したくない」と、13年に「風疹をなくそうの会」を立ち上げ、厚労省への要望や風疹対策の啓発に取り組んできた。

 長女はその後症状は改善し…

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