科学館ロボは手塚治虫作品? 半世紀前の伝説突き止めた

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矢吹孝文
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 静岡市の科学館に保管されている人型の「案内ロボット」は、漫画家の手塚治虫さん(1928~89)がデザインした未知の作品かもしれない――。「手塚デザイン」と同館で言い伝えられてきたものの、確証がなかったが、近年の調査でその可能性が高いことがわかってきた。

 JR静岡駅前にある「静岡科学館る・く・る」のエレベーターホールに、どこか懐かしい雰囲気の人型ロボットがたたずむ。高さ約175センチの角張った体。頭に赤いランプ、胸には「原子」のマーク。電源を入れると、「ぼくカンちゃん」「児童会館にようこそ」と話し、会釈や握手をする。

 静岡科学館によると、案内ロボット「カンちゃん」は1971年7月に同館の前身の静岡県児童会館に納品された。科学に関心を持つ子どもたちを玄関で迎える施設のシンボルとして、30年以上にわたって市民から愛された。

 児童会館は73年に県から静岡市に移管され、2003年に閉館。カンちゃんは翌年新設された静岡科学館に引き継がれたが、来歴を示す資料などはほとんど残っていなかった。

 歴代職員の間では「カンちゃんは手塚先生がデザインした」と言い伝えられてきた。だが、確証はない。唯一残る資料は、市立児童会館の01年度版の展示場ガイドの記述だ。「『鉄腕アトム』などのマンガで有名な『手塚治虫』先生にデザインしてもらいました」と明記されている。

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 手塚プロダクションによると…

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