ベネチア異例の選択 アメコミ大作に最高賞の舞台裏

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ベネチア=小峰健二
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 人気コミックのキャラクターを描く「ジョーカー」に金獅子賞を与え、第76回ベネチア国際映画祭は7日閉幕した。近年の3大映画祭で、ハリウッドメジャーの大作が最高賞を射止めるのは異例のこと。審査員たちは周囲の観測や雑音を排し、「直球勝負」で顕彰すべき作品を選んだようだ。

 ジョーカーは、米コミック「バットマン」に登場する、言わずと知れた悪役キャラだ。映画は、精神に病をかかえた大道芸人のアーサーが悪の道化師ジョーカーに変貌(へんぼう)するまでの経緯を、リアリズムに徹した暗い映像と弦楽器を中心とした重低音の音楽で描く。トッド・フィリップス監督と主演のホアキン・フェニックスらがオリジナルの物語として新たなジョーカー像を作り上げた。

 ベネチアでコミックを基にした作品がコンペティション部門に入るのも珍しい。アート指向の強い作品を上映する3大映画祭では、「コミック=通俗」と見なされているからだ。しかし、上映されるや、熱狂的な支持を集めた。

 各国からの映画祭参加者は…

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