台風直撃の千葉、ライフラインへの影響深刻 住民に疲れ

[PR]

 観測史上最高の最大瞬間風速を千葉市などで記録した台風15号が通過後の10日、千葉県内は、なお各地で停電や断水が続き、市民生活を直撃した。商店での品薄や鉄道の運転見合わせなどの影響が長引き、停電地域では災害情報を集めるためのスマートフォンの充電にも苦慮する。

 深刻なのが、ライフラインへの影響だ。

 東京電力パワーグリッド千葉総支社によると、県内では10日午後6時現在、市原市、千葉市、君津市などで計約54万2千戸が停電。このため浄水場の送水ポンプが動かず、県によると、鴨川、東金、成田の各市など計約8万4千戸で断水が起きた。

 市原市役所ではこの日、一度に100個以上のスマホや携帯電話を充電できるブースが設けられた。充電をしながら親戚と電話する人や、疲れた表情でニュースをチェックする人たちであふれた。

 充電できる場所を一日中探し回っていたという主婦石井久子さん(59)は「充電難民でした。スマホの電源が切れている状態がこんなに不安だとは思わなかった。情報を得るのも電話するのも全部スマホで『助かった』の一言です」と笑顔を見せた。電源が切れかけたスマホを充電した主婦細田裕子さんは「仕事に出ている娘と連絡が取れるので一安心」と話した。

 市内の停電した住宅街で営業を続けるコンビニでは、おにぎりやアイスなどほとんどの食料品が一時、品切れ状態になった。

 近くに住む鈴木朱美さん(42)は「飲み物しか買えなかった。停電で冷蔵庫の中が大変。卵はあきらめるしかない」。夕食を買いに来た寺下誠一さん(41)は「停電でシャワーは冷たい。唐揚げしか買えなかったが、買えただけいい」とこぼした。

子どもの熱中症心配

 停電していない地区へ移動する人も。八街市のパート従業員斎藤小夜(さよ)さん(43)は9日深夜、小学生の子ども3人を連れ、車で県外を目指したが、高速道路が通行止めで知人宅に向かうことに。「停電がいつまで続くかわからず不安。エアコンが使えず子どもの熱中症が心配だ」

 避難所となった千葉市中央区の松ケ丘公民館では10日朝まで30人以上が一夜を過ごした。ケアマネジャーの案内で避難してきた一人暮らしの女性(88)は「エアコンもあり安心してぐっすり眠れた」と話した。

 公共交通機関の混乱も続く。JR東日本千葉支社は11日、停電などのため列車を減らすなどして運行する計画だ。運転を終日取りやめるのは総武線(佐倉―銚子間)や内房線(姉ケ崎―安房鴨川間)など。外房線(千葉―上総一ノ宮間)などで本数を大幅に減らして運行する。

 臨時休業にした学校も相次いだ。県教委によると、停電や断水のため、千葉市を除く県内の公立学校や幼稚園計1235校・園のうち半数近くが休業や一部休業をした。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら