古代儀式での旗ざお 平城宮で横一列の並びが定型化?

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田中祐也 根本晃
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 天皇の即位式や天皇が出御する元日朝賀(ちょうが)など古代国家の最重要儀式では、宮殿の前に「幢幡(どうばん)」と呼ばれる7本の旗ざおが並べられていた。この儀式は中国から伝わったとみられるが、日本では大宝元(701)年の元日朝賀に伴い、飛鳥時代末の藤原宮(奈良県橿原〈かしはら〉市)で成立し、その後、奈良時代初めの平城宮奈良市)で旗ざおの並べ方が定型化した可能性の高いことが、奈良文化財研究所(奈文研)の調査で明らかになった。いずれも発掘された遺構から判明し、飛鳥~奈良時代の宮廷儀礼の変遷と定着を探る上で注目される。

 幢幡は太陽と月、中国古代思想の方角の守護神「四神(しじん)」(白虎〈びゃっこ〉、青竜〈せいりゅう〉、朱雀〈すざく〉、玄武〈げんぶ〉)、日本独自の3本足のカラス(烏〈う〉)を表現した計7本の旗を示す。飛鳥時代末から奈良時代にかけての基本史料「続日本紀(しょくにほんぎ)」は、大宝元年の元日朝賀で日本で初めて幢幡が立てられたと伝える。

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 このときの元日朝賀の様子に…

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