ただ者じゃない40歳独身、女性の生き方考えさせる 「セクシー田中さん」(芦原妃名子)

有料記事

松尾慈子
[PR]

漫画偏愛主義

 「セクシー田中さん」。そのタイトルに反して、本作の田中さんは40歳独身、「経理のAI」と呼ばれるほど仕事ができるが、地味で友達も彼氏もいたことがない。だが会社とは別の居場所をもっていた。そんな芯のある生き方をする田中さんに、23歳の派遣OL・朱里は興味をひかれ、彼女の生き方に憧れる。ラブコメディーでありつつ、女性の生き方について考えさせられる本作なのである。

 「砂時計」などのヒット作を生み出したさすがの芦原、本作でも冒頭からぐいぐい読者を引き込んでいく。合コン中、かわいらしい容姿と23歳という若さから男性陣の人気を集める朱里。だが合コンの最中、男性に求める条件を書くよう求められ、胸中では「男性陣のいる前で 本音なんか 書くわけない」としたたかさを見せる。そして帰宅後に自室で本音を記したカードを作る。結婚相手に望む条件をカードに一つずつ書いて、2枚ずつを比べて1枚選ぶを繰り返し、最後に残った1枚が「自分が結婚相手に望む、どうしても譲れない条件」だと分かるゲームだ。

ここから続き

 このカードで朱里の婚活の本…

この記事は有料記事です。残り836文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら