日本よ「変態」育て稼げ メシ・風呂・寝るは世界とずれ

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聞き手・嘉幡久敬
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立命館アジア太平洋大学学長・出口治明さん

 世は「イノベーション」ばやりだ。米IT企業の成功にならえと、国も技術革新を起こそうと躍起になっている。日本にイノベーションが必要ならそれはなぜか。どうすれば起きるのか。物事は「タテ(歴史)」「ヨコ(世界)」「算数(データ)」の視点で捉えることが大切、と唱えている出口治明さんに聞いた。

 ――そもそもイノベーションとは何でしょう。

 「この言葉を定義した経済学者のヨーゼフ・シュンペーターによると、イノベーションとは既存知の組み合わせです。知と知の間の距離が遠いほど、面白いアイデアが生まれる。現在では『ダイバーシティー』と『高学歴』が、新しい技術革新が起きる条件です」

 ――どういうことですか。

 「平成の30年間に、日本の国際競争力は1位から30位に落ちました。評価額が10億ドル以上の未上場企業『ユニコーン』は、世界に380匹いるのに、日本にはたった3匹。米国には200匹弱、中国には100匹弱います。ユニコーンの経営陣はほとんどが多国籍。労働生産性はその国の大学院卒の割合に比例するというデータがあるのですが、日本の大学院進学率は非常に低い。先進国の中では日本は『低学歴社会』なんです」

 ――かつて日本でも、ソニーやホンダなどイノベーションが生まれた時代もありましたが。

 「戦後、公職追放などで上の世代がいなくなり、当時の経営者はみんな若かった。それに米国にGEやGMといったお手本となる企業のモデルがあり、コピーできた。製造業の工場モデルで復興しようとした吉田茂の青写真は正しかったと思います。でも、どんなモデルにも耐用年数があります」

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 「スポーツに例えましょう…

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