マフラー排ガス技術、温室栽培に応用 愛知の車部品会社

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山本知弘
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 野菜や果物の成長を促す農業機器で、「業界最安」をうたう新製品をトヨタ自動車系部品大手のフタバ産業愛知県岡崎市)が開発した。排ガスの浄化技術をもとに2年前に参入したが、ここまでの実績はいま一つ。農家が使いやすいサイズに改良し、「エコ」と「安さ」の両輪で巻き返しをねらう。

 キクやトマトなどハウス栽培の作物に二酸化炭素(CO2)を吹き付けて光合成を促す機器「アグリーフ」の小型版(300坪向き)を8月に発売した。小型冷蔵庫ほどの本体にドラム缶などがつく機器は税抜き50万円。2年前に売り出した第1号製品(900坪向き、185万円)の3分の1以下に抑えた。

 ハウス栽培では外気を入れない冬場に不足するCO2を補うため、灯油を燃やすやり方がある。これに対してアグリーフは、暖房用ボイラーの排煙から回収したCO2を再利用する。捨てる排煙を使うエコさと、灯油代のいらないお得さが売りだ。強みの自動車マフラーや熱交換の技術を応用した期待の新事業として2017年秋に参入した。

 ところが販売は伸び悩んだ。原因は機器の性能と農家の実態とのミスマッチだ。「ハウス農家の経営規模は900坪が一般的」という国のデータを参考に開発したが、実際には300坪ハウスを3棟持つ農家が多いことが後からわかった。

 作物の収穫量が増えるなどの…

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