伝統がそんなに大事? 私を殴る夫、でも許されない離婚

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エルサレム=高野遼
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 宗教的な結婚しか認めず、週末は交通機関が止まる。そんなユダヤ教の伝統をどこまで維持するべきなのか、イスラエルが揺れている。17日の総選挙でも焦点になっている。(エルサレム=高野遼)

 「神は信じています。でもこんなルールはあまりに古くさい」

 テルアビブ近郊に住むマリーさん(38)は、暴力を振るう夫と離婚するのに5年間、苦しんだ。原因はユダヤ教に支配された制度だ。離婚の決定権は男性側にしかない。

 マリーさんが結婚したのは2010年。夫は2歳下の弁護士だった。結婚生活が始まると、アルコール依存の夫に日々暴力を振るわれた。1年半後、マリーさんは離婚を決意した。

 苦悩の始まりはここから。離婚に妻の同意は必須ではないのに、夫の同意は絶対条件とされる。でも夫は同意してくれない。裁判所も夫に同意を求めたが強制はできない。

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 このままでは新たな相手との…

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