ひたすら120キロの窓付け 技能学べぬ日立の実習生

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前川浩之 内藤尚志 嶋田圭一郎 千葉卓朗 編集委員・沢路毅彦
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 外国人技能実習で法律違反があったとして、日立製作所が国の改善命令を受けた。同社笠戸事業所(山口県下松市)で働いていた元実習生の間には「技能を学べなかった」と今も不満が残る。新たな在留資格が生まれ、外国人の働き手に関心が集まる今、日本を代表する大企業の姿勢が問われる。

 「結局、電気機器組み立ての技能は学べない実習だったということ」。新幹線車両への窓付けばかりさせられたという20代前半のフィリピン人元実習生は日立の処分を聞き、そう話す。

 母国の理科系大学を卒業して2017年春に来日。実習を受ければ技術者への道が広がると期待し、笠戸事業所へやってきた。日立が注力する鉄道車両事業の生産拠点。リーマン・ショック後に巨額赤字を抱えた日立が復活をとげた象徴的工場だったが、日々の作業は重さ120キロの窓を4人1組で運んで車両に取り付ける重労働ばかりだった。

 元実習生は昨年7月に国が実地検査に入った際に「職場ではこうした不正が続いていた」と証言したという。「体が痛くて、母国で休みたくて」と今年、自ら帰国。今は日本語教師として働く。「日本政府が日立の不正を認めた。日立は改善できるのだろうか」

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 日立広報・IR部などによる…

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