エルサレムの旧市街で8月、パレスチナ人の少年がイスラエル人警察官にナイフで襲いかかる事件があった。その場で射殺された少年は、14歳。なぜ彼は凶行に走ったのだろうか。少年の自宅を訪ねた。
事件の瞬間をおさめたビデオ映像がある。
2人の少年が、5人ほどの警察官の集団に向かって歩いてくる。3メートルほど手前から走りだし、警官の一人に襲いかかる。右手に持ったナイフを振り上げ、1刺し。倒れ込んだ警官に、もう1刺し。気づいた他の警官が即座に、少年たちに発砲する。2人は地面に倒れ、動かなくなった。
警官は上半身を刺されたが、大事には至らなかった。一方、少年のうち1人は死亡。もう1人は重傷で病院へ運ばれた。
15秒ほどのビデオ映像は、瞬く間にSNS上で拡散した。イスラエル側で、少年は「テロリスト」と呼ばれた。一方、パレスチナ側では「英雄」として称賛された。少年を射殺した警官への報復を呼びかける動きまで出た。
パレスチナ人が、イスラエルの警官や兵士を襲う事件は珍しくない。だが、犯人が14歳というのは異例だ。何が彼を凶行に走らせたのだろうか――。
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死亡した14歳の少年は、名…
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