金融庁「悲願」のNISA恒久化 でも、あの報告書で…

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岡村夏樹 柴田秀並
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 年末の税制改正に向け、各省庁の税制改正要望が出そろった。10月に消費増税とそれに伴う軽減税率の導入を控え、例年と比べると大きな改正要望はみられない。その中で、金融庁審議会の報告書をきっかけに注目を集めた老後資産問題とも関係する「少額投資非課税制度NISA)」をめぐる攻防が焦点の一つになりそうだ。

 金融庁が税制改正要望で真っ先にあげたのが、老後の資産づくりを後押しする名目のNISAだった。

 2014年に始まったNISAは、株式や投資信託への投資で得た利益について、年120万円の投資額を上限に5年間非課税となる制度。つみたてNISAは20年間、年40万円まで非課税で投資できる制度で、18年から始まった。

 ただし、NISAは23年まで、つみたてNISAも37年までの時限措置だ。つみたてNISAの場合、今年から積み立てを始めても投資できる期間は37年までの19年間で終わってしまう。NISAも来年以降に始めた人は投資できる期間が5年よりも短くなる。

 そこで金融庁は要望で、NISAの恒久化と、つみたてNISAの期限の延長を求めた。

 「貯蓄から投資へ」を掲げる金融庁が、投資未経験者を投資に導く「切り札」と見込むNISAだが、利用は成人人口の約1割にとどまっており、恒久化は昨年も要望した「悲願」だ。

 とはいえ、今年の実現は難しいとの見方がもっぱらだ。原因は6月の金融庁審議会の報告書にある。

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 報告書はNISAの恒久化を…

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