「なつぞら」天陽くん、モチーフとは 半身の馬が物語る
中沢滋人
放送中のNHK連続テレビ小説「なつぞら」で、俳優吉沢亮さんが演じ、主人公・なつに影響を与えた青年画家「山田天陽」の人気が上がるにつれて、モチーフとなった画家・神田日勝(1937―70年)への注目が高まっている。北海道鹿追町にある「神田日勝記念美術館」には、今年4~8月の間に、前年同期比で約4倍の来館者が訪れている。「なつぞら」では「天陽くん」が亡くなり、視聴者の間に悲しみが広がっている。日勝とはどういう人だったのか、同館学芸員の川岸真由子さんに聞いた。
――神田日勝の生い立ちは
1937(昭和12)年に現在の東京都練馬区で生まれました。8歳になる45年、東京大空襲をきっかけに、父親が疎開と食糧の供給とを兼ねて組織された「拓北農兵隊」に参加。家族で鹿追に移住します。8月14日に鹿追町に着いて、翌日終戦を迎えました。その後、亡くなるまで鹿追の地で生活をしました。
――家族は
5人きょうだいの4番目。「なつぞら」と一緒で兄がプロの画家を目指して東京芸術大学に進学しています。このため、次男の神田日勝が農家を継ぐことになります。
――本格的に絵を描き出したのは
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10代の頃に兄の影響で油彩…
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