大雨の新しい警戒レベル 自分で行動する判断の目安に

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編集委員・佐々木英輔
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 大雨や台風による災害が今年も相次いでいます。昨年までと違うのは、防災の情報とともに「警戒レベル」も伝えられたことです。佐賀県などに浸水被害をもたらした8月末の豪雨では、気象庁が大雨特別警報を発表。テレビなどが「レベル5にあたる」と命を守る行動を呼びかけました。

 レベルは1~5の5段階です。移動に時間がかかる高齢者らは「3」で避難開始。「4」はほかの人も避難するタイミングです。大事なのは、ここまでに避難を終えておくこと。「5」は身の危険が迫った段階で、上の階に逃げたり、崖から離れたりと、状況に応じた最善の行動が求められます。

 警戒レベルの導入は、昨年の西日本豪雨を受けた国の有識者会議の議論を経て決まりました。防災の情報がわかりにくく、必ずしも住民の行動につながってこなかったことが背景にあります。

 避難勧告と避難指示はどちらが切迫しているのか。注意報や警報と何が違うのか。すぐ答えられる人はそう多くないでしょう。土砂災害警戒情報、特別警報、細かな場所ごとの危険度を地図上に示す「危険度分布」など、技術の進歩とともに情報も増えています。

 そこで5段階に整理し、取るべき行動と合わせて示すことになりました。従来の情報はそのままに、数字を付記した形です。

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 しかし、わかりにくいとの指摘はなおあります。例えば「避難勧告」と、より切迫した「避難指示(緊急)」はともにレベル4です。

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 これは勧告で避難するのを基…

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