恋のさやあて、イギリス熱狂 単調なのになぜ受ける?

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ロンドン=下司佳代子
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 英国でこの夏一番の話題は、欧州連合離脱や首相交代よりもテレビ番組「ラブアイランド」だったかもしれない。男女の恋愛模様を「観察」するリアリティー番組だ。人気が過熱する一方、そのあり方が問われ始めている。(ロンドン=下司佳代子)

 ラブアイランドは、スペイン・マジョルカ島のリゾート施設で若い男女10人が寝食を共にする様子を約70台のカメラで常時撮影、1時間に編集して1カ月間ほぼ毎日放送する。視聴者投票で一番人気のカップルが5万ポンド(約650万円)を手にする。

 台本なしで一般人が直面する課題に取り組むリアリティー番組の一つだ。リアリティー番組は、隔離された家で同居する男女を観察するオランダの番組「ビッグブラザー」の世界的な成功がきっかけで広まった。比較的低予算で済み、テレビ局の収益の柱になっている。

 ラブアイランドは2015年以降、毎年6~7月に撮影・放送がある。今年、視聴者が最多の回は人口約6600万人の英国で600万人を超え、民放ITVのチャンネル「ITV2」史上最多を記録。半数が16~34歳の視聴者だった。

プールでおしゃべり

 影響力は絶大だ。優勝カップルの凱旋(がいせん)帰宅がBBCで報じられ、他の出演者もファッション誌の表紙や情報番組にひっぱりだこ。メディアは出演者が着るファストファッションの大量廃棄、同性愛者のカミングアウトの難しさなど、あらゆる問題を番組と絡めて論じる。ガーディアン紙の関連記事(電子版)は6月以降だけで約50本に上る。

 番組では消防士やボクサー、薬剤師ら一般人の出演者がプールサイドで互いの印象を語ったりゲームをしたり。仕事や家族関係など外の生活には触れず、単調な内容だ。

 なぜ人気なのか。サンダーラ…

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