「純喫茶」閉店決断したのに 突然、若者が集まり始めた

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石橋英昭
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 「星港夜(シンガポールナイト)」は、仙台市青葉区上杉の住宅街にひっそりとある古い「純喫茶」だ。店は時代遅れになり、客は減り、主人はそろそろ廃業をと考えた。ところがある日突然、若者たちが「やめないで」と、押し寄せるようになった。流れ星のような奇跡の物語――。

 生まれも育ちも仙台の斎藤匠さん(62)が、脱サラして32年前に開いた店。営業マンのころ、出張のたびその土地の喫茶店で商談をしたり、さぼったり、コーヒーを飲んだりした。疲れを癒やして風を待つ、港のような場所を自らつくりたい、と考えた。

 アンティークの調度を集め、古いピアノを置き、焙煎(ばいせん)した豆のオリジナルブレンドを淹(い)れる。夜遅くまで店を開け、時々はライブも企画する。多くの人に愛されてきた。

 斎藤さんによると、仙台で昔ながらの喫茶店がつぶれ始めたのは、2005年ごろだという。代わりに、全国どこにでもあるチェーンの「カフェ」が増えてゆく。「星港夜」も最近は、お客が1日1人という日があった。今年、思い余って、メニューにメッセージを貼った。

■「タピオカを求める場所じゃ…

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