異例のメディア出身大使 識者「権力監視弱まる恐れも」

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 安倍内閣は30日の閣議で、読売新聞グループ本社の白石興二郎会長(72)をスイス大使に充てる人事を決めた。報道機関の現職トップの大使起用は異例。外務省によるとメディア出身者の起用は5人目で、朝日新聞出身で東大教授だった石弘之氏以来17年ぶりだ。

 9月2日付。読売新聞によると、白石氏は30日付で会長を退任した。白石氏は今年4月新元号決定の際に意見を聴かれた「元号に関する懇談会」の有識者9人の一人。

 白石氏の起用について、菅義偉官房長官は閣議後の記者会見で「大使も含め、人事はすべて適材適所で行っている」と語った。

 白石氏は読売新聞社で政治部次長、グループ本社執行役員社長室長、東京本社編集局長、論説委員長などを務め、2013年から今年6月までは日本新聞協会長だった。

 グループ本社社長時代の11年には読売巨人軍の取締役オーナーに就任。巨人の現役選手が野球賭博に関与した問題の責任を取り、16年に辞任した。

 スイス大使の前任は、安倍晋三首相の三十年来の友人で、内閣官房参与として経済ブレーンを務めてきた本田悦朗氏。本田氏が4月に辞職した後は空席となっていた。

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 報道機関のトップだった人物が政府の仕事をすることを識者はどうみるか。

 田島泰彦・元上智大教授(メ…

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