雨傘運動、周庭氏ら一時拘束の意味 香港デモは新局面へ

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香港=益満雄一郎 北京=冨名腰隆
【動画】釈放後に取材に応じる民主活動家の黄之鋒氏と周庭氏
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 香港で政府への抗議デモが続いている問題で、香港警察が2014年の民主化デモ「雨傘運動」のリーダーら著名活動家を一時拘束した。週末に計画された大規模デモの申請も却下するなど、混乱の収束に向け強硬な措置に出た。背後にはいらだつ中国の意向もありそうだが、デモ隊のさらなる反発を招く危険があり、事態は新たな潮目を迎えつつある。

 30日朝、香港警察が拘束したのは、「雨傘運動」を象徴するリーダーとして米タイム誌の表紙も飾った黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏(22)と、日本との交流も深く、雨傘運動の「女神」と呼ばれた周庭(アグネス・チョウ)氏(22)。同日夕、そろって釈放された2人は、「政治弾圧だ」と非難した。

 2人の容疑は6月、市民らが政府本部や警察本部を包囲した抗議活動の際に、参加者を扇動するなどしたというものだ。

 2カ月も経って拘束に動いたのには、新学期が始まる9月2日に呼びかけられている授業ボイコットが関係している模様だ。中高生の活動を支援していた2人を拘束することで、若者らの動きを封じ込めようとの思惑が垣間見える。

 香港メディアによると、警察は30日、区諾軒氏ら民主派の立法会(議会)議員3人に加え、区議会議員1人も拘束。29日には中国からの独立を訴える政治団体のリーダー、陳浩天氏(28)も暴行容疑で拘束した。

 警察がこれまで拘束した約900人はほとんど一般市民だったが、今回、若い世代の支持が厚い黄氏や周氏、急進的な若者とつながる陳氏に加え、3人の立法会議員と一定の求心力を持つ人物に狙いを定めて強硬措置に乗り出した形だ。

 警察は、香港で保障されてき…

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