ロープ投げ、練習通りにぴたり 川に流された男性を救助

竹中美貴
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 奈良県の吉野消防署と吉野警察署は30日、桜井市の警備員、新谷宗久さん(64)に感謝状を贈った。新谷さんは13日、川で溺れていた男性にロープを投げ入れてつかまらせ、その後、消防署員らが引き揚げた。

 新谷さんは、警備員として2011年から吉野町宮滝の吉野川周辺で、夏の遊泳期間に遊泳客が崖上から川に飛び込むなどの危険行為を防ぐため、監視をしてきた。

 新谷さんの話では、13日午後3時50分ごろ、吉野川上流から男性(30)が溺れて流されてくるのを発見。新谷さんは高さ4メートルほどの岩場から、男性の上流側にロープを投げ入れた。ロープは流されて、下流の男性のもとへ。

 岩陰で男性の姿は見えなかったが、ロープの先にしっかりと重みを感じた。「大丈夫ですか。しっかりつかんでくださいね」。男性に声をかけながら、引きずられないように精いっぱい足を踏ん張った。別の救護活動で居合わせた消防署員数人がそのロープを引き揚げ、男性にけがはなかった。

 新谷さんは、普段から狙った場所にロープを投げ入れる練習を欠かさずにしてきたという。「感謝状はうれしいけれど、当たり前のことをしただけです」とほほえんだ。(竹中美貴)

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